英語があまり話せなくとも審問はできます。
審問で発言を求められるのは、
●相手に声をかけたか、何とかけたか
●ケースの説明
●相手への質問
●相手からの質問への回答
●プロテスト委員からの質問への回答
です。
プロテスト委員は優しいので、英語が分からなければ、ゆっくり、身振り手振りで説明してくれます。
ケースの時の記憶は意外と曖昧なものです。審問の間に説明が変わったり、矛盾していたりするとプロテスト委員の心証に影響します。しっかり準備して臨みましょう。
●相手艇との位置関係はどうであったか?(オーバーラップはあったか、なかったか、どれくらい離れていたか)
●マークとの位置関係はどうであったか?(ゾーンに入っていたのか、いなかったのか、回航は終わったのか)
●他艇との位置関係はどうであったか?(あわせて、証言艇になってくれる艇を探しましょう)
などです。
抗議書の見取り図を描くときはこれらを整理したうえで、自分が見た「事実」を矛盾なく描きましょう。
その際、ケース時点の見取り図だけでなく、ケースに至るまでの経緯を描くとよいです。
どの時点で権利関係が変わったか?(ポート・スタボー、上下、ゾーン、オーバーラップ)、その時の位置関係は?マークとの距離は?などです。
アニメーションのように、いくつかの時点を区切って一枚の見取り図に描けると分かりやすいと思います。
個人的な印象ですが、見取り図がしっかりしているとプロテスト委員の信頼度が上がると思います。
証言艇についてははっきりいって日本チームは不利です。詳しくは書きませんがお察しください。
しかし証言艇が矛盾した発言をした場合はそこを攻めることで逆にプロテスト委員の心証を悪くすることができます。相手が証言艇を用意した場合にはしっかりと質問して矛盾をつくことです。
あらためて、英語は適当でも通じます。
何を描くか、何を言うか、日本語で理解していれば大丈夫と思います。
相手の言っていることが分からなければ適当に受け流さず、困った顔をしましょう。そして「すみませんがあなたが言っていることが分かりません」、と言うことです。
ルールブックが手元にあれば、大体は分かります。
「避けている」はkeep clear、「避ける」はavoidです。
うんちくシリーズはこれで終わりです。
それでは現地で!